宇都宮美術館では、「地域と美術」「生活と美術」「環境と美術」を収集方針に、幅広い領域の作品を収蔵しています。
「地域と美術」は、「世界の美術」「日本の美術」「宇都宮ゆかりの美術」から成り、このうち20世紀を代表する巨匠の作品が対象の「世界の美術」は、以下の三つに区分されます。
①美術とデザインを結ぶシンボル作品――ルネ・マグリット
②理念と構成の作家達――絵画における抽象の理念を確立し、理知的、内省的、実験的な作風を示すワシリー・カンディンスキーやパウル・クレー
③色彩と装飾の作家達――写実か抽象かという考え方に囚われることなく、色彩の華やぎ、豊かな線の表現に取り組んだマルク・シャガールやラウル・デュフィ
ルネ・マグリット
《大家族》
1963年
油彩、キャンヴァス
ワシリー・カンディンスキー
《鎮められたコントラスト》
1941年
油彩、キャンヴァス
ラウル・デュフィ
《ピエール・ガイスマール氏の肖像》
1938年
油彩、キャンヴァス
「日本の美術」は、「明治以降の作家達」「明治以降の版画」「ビゴー・コレクション」から成り、このうち「明治以降の作家達」(明治・大正・昭和戦前・昭和戦後以降)には、時代の諸相を映し出すさまざまな作品が含まれます。
黒田 清輝
《夏図習作(横たわる女)》
1892年頃(明治25年頃)
油彩、キャンヴァス
岸田 劉生
《少年肖像(村上巌氏十七歳)》
1925年(大正14年)
油彩、キャンヴァス
国吉 康雄
《仔牛は行きたくない》
1922年(大正11年)
油彩、キャンヴァス
松本 竣介
《街》
1940年(昭和15年)
油彩、板
辰野 登恵子
《Untitled 93-20》
1993年(平成5年)
油彩、キャンヴァス
「明治以降の版画」には、明治末期・大正・昭和戦前に興隆した創作版画運動と、1974~2007年(昭和49~平成19年)に活動を繰り広げたリトグラフ工房MMGの刷りによる作品群が含まれます。世界最大級の規模を誇る「ビゴー・コレクション」は、1882~1899年(明治15~32年)の間、日本に滞在したフランス人画家ジョルジュ・ビゴーの作品300点余から成ります。
恩地 孝四郎
《失題》
1914年(大正3年)
木版、紙
田中 恭吉 版画誌『月映』IIIより
《冬虫夏草》
1914年(大正3年)
木版、紙
ジョルジュ・ビゴー
《熱海の海岸》
あるいは《熱海にて、日本の漁師たち》
1888年頃(明治21年頃)
油彩、キャンヴァス
「宇都宮ゆかりの美術」は、宇都宮の出身、あるいは活動拠点が宇都宮の物故・現存作家を対象とします。
矢口 洋
《古いカフェで》
1955年(昭和30年)
油彩、キャンヴァス
米陀 寬
《風》
1988年(昭和63年)
紙本着色